講義5:お金のこと
あなたにあった住宅ローンの金利を選択しよう!
金利の種類は大きく分けると
変動金利と固定金利があります。
さらに固定金利の中には3年、5年、10年という短期固定の金利と
35年間固定(フラット35)の全期間固定の金利があります。
基本的に固定期間が長くなれば
借入金利は高くなる傾向です。
一番お得なのは安い金利で借りることです。
現在、一番安い金利は「変動金利」になります。
ネット銀行などでは0.4%台で借入が可能です。
不動産業者が作成する返済例などは
ほとんどこの変動金利で計算をしています。
ただ安いからという理由だけで
変動金利を選択するのは危険です。
変動金利は5年間は返済額が変わりません。
ただ金利の見直しを半年に一回しています。
5年の間に金利が上昇していれば
6年目から返済額が上がります。
この返済額の上昇幅は
今までの返済額の1.25倍まで
と決められています。
決められているとはいえ
8万円の返済の1.25倍は10万円です。
そこまで急激に金利は上がらないかもしれませんが
そうなるリスクを含んでいるのが変動金利です。
バブルの時期などは変動金利の店頭表示金利は8%とかでした。
優遇幅があったとしても5%ぐらいの利率となるでしょう。
変動金利がオススメの方は
借入金額、借入期間が短い方や
共働きで世帯収入が多い方、収入に対する返済比率が低い方などです。
変動金利だと月々の支払いができるから変動金利にするという方にはオススメできません。
続いては固定金利ですがここ数年は固定金利を選ぶ方は減ってきました。
というのはメリットがそこまで多くないからです。
前述したように三菱UFJ銀行だと3年固定であれば当初借入は0.49%です。
しかし4年目からは今と同じ金利水準でも1.09%になります。
安い金利で借りるなら変動金利にするでしょう。
また10年固定という商品もありますが
10年固定の場合は
店頭表示金利が3.19%で当初優遇幅は2.5%です。
なので当初は金利0.69%で借入可能です。
しかし11年目以降は優遇幅が1.6%に減るので
借入金利は1.59%になります。
何度も言いますがこれは「今と同じ金利水準だったら」という仮定です。
最近、人気なのは全期間固定のフラット35です。
フラット35は以前からありましたが
どうにも使い勝手が良くなかったです。
諸費用は自己資金が必要でしたし
物件価格の9割までしか融資してくれませんでした。
3,000万円の住宅を購入するのに
諸費用の約300万円と物件価格の1割(300万円)の
600万円が自己資金として必要でした。
また金利も高く団体信用生命保険も任意(別払い)でした。
しかし最近は条件面が大幅に良くなりました。
以前は物件価格の1割+諸費用分の自己資金が必要でしたが
現在は総取得費の1割分だけで良いです。
単純に諸費用を1割と考えれば
諸費用分さえ自己資金があれば良いということです。
さらに金利は1.17%で全期間固定です。
しかも団信は金利に含まれています。
新築物件など一定の要件を満たせば
フラット35Sという商品も利用できます。
そうすれば当初5年or10年は金利が0.25%下がります。
当初10年間は金利0.92%で
11年目以降は1.17%となります。
先ほど説明した三菱UFJ銀行銀行の10年固定と返済額を比べてみましょう。
三菱UFJ銀行
10年固定
当初10年:80,421円
11年目以降:89,543円
総返済額:36,513,420円
フラット35
当初10年:83,572円
11年目以降:86,115円
総返済額:35,863,140円
フラット35の方が65万円ほど返済額は少なくなります。
またフラット35は今後どれだけ金利が上昇しても
今の金利は変わらないので将来的に支払額が上がるという心配がありません。
こういった理由で現在はフラット35の人気が高くなっています。
フラット35のデメリットは適合証明書という書類が必要です。
新築住宅や築年数が浅い住宅であればほぼ問題はありませんが
築年数が古い物件では適合証明書が発行できない可能性があります。
そうなるとフラット35が利用できません。
まとめると
変動金利:自己資金が多い、返済比率が低い方向け
固定金利:ほぼ選ぶメリットはなし
全期間固定:金利上昇が不安、返済額を確定しておきたい方向け
私自身が現在、住宅を購入するとすれば
フラット35を選択すると思います。
4-5 団体信用生命保険は保障を増やした方が良い?
どこの銀行でも住宅ローンを利用する場合は
団体信用生命保険という保険への加入が必要です。
(フラット35は任意です)
団体信用生命保険は債務者の方が死亡や高度障害などが
あった時に住宅ローンがなくなるという保険です。
保険料は金利に含まれているので追加で費用を支払う必要はありません。
この団信ですが保障内容を増やすことができます。
その中でも代表的なものは
がん団信と8大疾病保障です。
2つとも借入金利に0.1%~0.3%程度をプラスすることで加入が可能です。
加入するかしないかは選択することは可能ですが
保障される内容をしっかりと確認しておきましょう。
まずがん団信ですが
「がんになったら住宅ローンの支払いがなくなる」
という認識だけでは間違いです。
がん団信では基本的に上皮内がんは適用されません。
※上皮内がんとは胃や腸などの臓器の粘膜や皮膚をおおっている部分にできたがんです。
ステージでいうとステージ0で内視鏡治療で終わるケースがほとんどです。
ステージ3やステージ4などになれば住宅ローンの返済は不要となりますが
末期のがんであれば余命宣告もされると思います。
お亡くなりになれば一般団信が適用されます。
今は医療が進んでいるのでがんを早期発見さえできれば死亡のリスクは少ないです。
私だったら掛け捨てでも良いので民間保険に加入し手術給付金、入院給付金をもらいます。
8大疾病に関しては病気の種類で違いはありますが
脳卒中、心筋梗塞だと労働制限の状態が60日以上続いたら
高血圧、糖尿病などは就業不能状態が13ヵ月を超えたら
などの条件です。
13ヶ月も就業不能となると完治する可能性は低いと思うので
これもまた一般団信が適用になる可能性が高いです。
各銀行によって保障の内容が異なるので
加入を検討している場合は内容をしっかりと確認しておきましょう。
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