中古マンションの購入について補足をしておきます。
戸建の場合は築年数が古くなれば
解体して新築というのは自由にできますが
中古マンションの場合は複数の所有者がいるので
自分勝手に建て替えはできません。
現在、築20年の物件でも
35年ローンの支払いが終わるころには
築55年になっています。
ローンは払い終わったけど
すぐに取り壊しとなったら流石に悲しいですからね。
実際にお客さんと話しをしていても
いつまで住めるのか?
を気にされている方は多いです。
なので築が古くなった中古マンションはどうなるのか?
について私なりの見解をお話ししておきます。
中古マンションの建て替えはハードルが高い!
分譲マンションは自分の部屋(占有部分)とエントランスや廊下などの共有部分に分かれています。
占有部分に関してはマンションの管理規約さえ守れば
自由にリフォームすることが可能です。
ですが共有部分に関しては勝手に工事をすることができません。
(玄関扉やバルコニー、窓のサッシは共有部分です)
当然ですがあなた個人の意見で建て替えもできません。
マンションの建て替えには所有者の方の一定数の賛成が必要です。
具体的には所有者の4/5の賛成です。
100世帯のマンションであれば80世帯の賛成数となります。
所有者の方の中には住宅ローンの支払いが終わっていない方もいれば
高齢のため引っ越しが難しいという方もいます。
そう考えると4/5の賛成というのはとてもハードルが高いです。
実際に名古屋圏にもすでに築40年以上のマンションは多数ありますが
建て替えを検討しているというマンションはほぼ聞いたことがありません。
建て替えが賛成されないとなると修繕を行いながら
建物を維持していくという方向になります。
築年数が古くなれば修繕する部分は増えてくるので
修繕積立金が高くなる可能性はあります。
分譲マンション建て替えの成功例
建て替えのハードルは高いですが
今まで建て替えをした事例もあります。
(200件ぐらいしかないようですが)
建て替えが実現した例のほとんどが
所有者の負担金がゼロだった場合です。
中には転居費用、仮住まい費用もゼロだったというケースもあるようです。
どういった場合だと所有者の負担金がゼロになるかというと
敷地の容積率が余っている場合です。
ものすごく簡単に説明すると
今まで30世帯のマンションだったのを
建て替えにより100世帯にすることができる。
という場合です。
30世帯分は今までの所有者の分ですが
70世帯分を売却することにより建築費用を補填することができます。
昭和40年代、50年代に建築された
いわゆる団地は広い敷地にゆったりと建物が建てられているので
容積が余っていることがあります。
また規制の緩和や再開発などで
今までより高い建物が建てられるようになり
容積率が余るというケースもあります。
名古屋市内の場合、新たに再開発されるような地域はほぼないので
今後、分譲マンションの建て替えがあるとしたら
敷地が広い団地タイプの分譲マンションぐらいだと思います。
建物を維持していくということを前提に考えると
やはり総戸数の多いマンションを選ぶというのが
失敗しない選択になるでしょう。
詳しくはこちらで解説しています。
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