講義6: 物件種別ごとの傾向と対策
中古マンションについて
マンションは戸建と異なり所有者の方で土地を共有しています。
同じ3,000万円の予算で比べた場合、戸建と比べて
築年数が新しい物件、より良い立地、設備を選ぶことができます。
マンションは鉄筋コンクリート造なので木造の戸建と比べ
耐震性、耐久性に優れています。
築40年以上の戸建は売りに出ることは少ないですが
築40年以上のマンションでもリフォーム済なら
1,000万円以上で取引されることもあります。
また室内の間仕切壁を取り壊して間取り変更も戸建と比べて容易です。
お子様が独立して個室が不要になった時などライフスタイルの変化にも対応しやすいです。
マンションで見るべきポイントは
・管理状態
・立地
の2点です。
戸建の場合は管理・修繕は所有者の方の自己責任で行いますが
マンションの場合は建物を所有者の方で建物を共有しています。
管理・修繕を円滑に進めるため所有者の方で管理組合というものを結成しています。
具体的な活動は大規模修繕などを含めた長期修繕計画の作成やマンション内でのルールを決めます。
ペット飼育の可否やゴミ出しのルール、室内の修繕に関するルール、駐車場料金の決定などを行います。
大変そうだと思うかもしれませんが
ほとんどのマンションでは管理会社に管理を一任しています。
なので所有者の方が特にやることはありません。
(築年数が古いマンションは自主管理が多い傾向です)
マンション管理の見るべきポイント
マンションの購入は「管理を買え」と言われるぐらい管理が大事です。
同じ築年数でも管理状態によって外観の綺麗さがまったく違います。
当然ですが綺麗な方が価値は高くなります。
具体的には
●清掃がきちんとされているか(エントランスや共用部)
エントランスやエレベーター内などに落書きがあるマンションや
ゴミ捨て場がいつも汚れているマンションもあります。
こういったマンションは管理状態が悪いこともありますが
住んでいる住民のモラルが低いと言わざるを得ません。
たくさんの方が住んでいるからこそ
気を遣うというのが本来の姿だとは思いますが
自分のものではないから汚しても構わないと考える方も一部います。
少しの汚れが全体に広がるというケースもあるので
パッと見て汚いなぁと感じたら購入は避けた方が良いでしょう。
●駐輪場が整理整頓されているか
清掃の部分と似ていますが管理がしっかりされているマンションでは
自転車がぐちゃぐちゃに置かれていることは少ないです。
●鉄部のサビなどの補修、外壁の塗り替えがされているか
鉄部にサビなどがあるとマンション自体が汚く見えますし
小さな部分から建物自体が悪くなっていくこともあります。
外壁は見栄えもありますが防水機能なども兼ねているので
長期間塗り替えをしていないとコンクリートの内部に水が入り込み強度が弱くなります。
●長期修繕計画はあるか
長期修繕計画は今後数十年先まで計画されています。
もちろん計画なのでその通りに行かないこともありますが
しっかりと計画を立てて修繕していく意思があるかが大事です。
フラット35の審査では長期修繕計画があるかどうかも審査の対象となります。
● 修繕積立金は十分な額か
所有者の方が毎月、支払う修繕積立金は小さな工事から
10年~15年毎に行われる「大規模修繕」の際に必要なお金です。
外壁の塗り替え、屋上の防水、エレベーターの修理、交換など様々なメンテナンスに利用されます。
大規模修繕を行う時期なのに修繕積立金が貯まっていない場合は一時金として数十万円単位のお金を各所有者の方が負担しないといけません。
管理組合の総会で一時金の徴収が棄却されれば大規模修繕に必要なお金が集まらないので大規模修繕自体が延期されることもあります。
車でも戸建でもマンションでも同じですが
古くなればそれだけ修繕する箇所も増えていきます。
なので築年数が古い建物ほど修繕積立金は高くなる傾向にあります。
管理に関しては最初はどこを見ればわからないかもしれませんが
同じ年代のマンションを複数見ていけば雰囲気がわかってくるので安心してください。
長期修繕計画や修繕積立金額については
不動産業者が取得しているので気になる物件があれば不動産業者から貰いましょう。
続いては立地について解説します。
マンションの購入の決め手でもこの立地は上位に来るぐらい大事な部分です。
それではどのような立地が選ばれているかというと「駅からの距離」が断トツ1位です。
駅近マンションのメリットは
交通の便が良いだけでなく駅周辺は飲食店はもちろん生活に必要なお店が集まっています。
通勤に電車を利用する方にとってはとても大事になってくる部分です。
それ以外にも資産価値が高いというのもメリットです。
多くの人から支持されるということはそれだけ人気が高いということです。
人気が高ければ当然ですが値段は下がりにくいです。
将来的に売却を考えた時に高値で売れる可能性があります。
最近は子供が独立したご夫婦などが郊外の戸建を売却して
駅近のマンションにお引越しをするというケースも増えてきています。
駅近であれば車がなくても生活に不便を感じることは少ないですからね。
駅近のマンションは購入する時は高いですが
売却する時にも高くなります。
利便性や将来性などを考えて損をしない選択が可能だと思います。
個人的におススメの中古マンションは
総戸数が多いマンションです。
修繕積立金は各所有者が毎月、積立金を支払います。
当然ですが総戸数が多ければ集まるお金も多くなります。
30戸のマンションと100戸のマンションが同じ修繕積立金の額だとしたら100戸のマンションは30戸のマンションの3倍以上の積立金が集まります。
総戸数が増えればマンション自体も大きくなるので
修繕費用自体は高くなりますが戸数が倍になったからといって
修繕費用が倍になるということはありません。
修繕積立金が余れば全体の積立金が下がる可能性もありますし
窓や玄関扉、給排水管などを取り換えてくれることもあります。
※マンションは専有部分と共有部分にわかれています。
窓や玄関扉、バルコニー、エントランスなどは共有部分となります。
以前お取引きをしたマンションは築年数は30年ぐらい経っていましたが200戸ぐらいある大きなマンションでした。
大規模修繕をしたばかりでも2億円ぐらいの積立金が残っていました。
一方、総戸数が10件未満のマンションは
毎月の修繕積立金が高くお金もそこまで貯まっていませんでした。
個人的におススメのマンションは
・管理がしっかりとされている
・駅から徒歩圏内
・総戸数が50世帯以上(最低でも30世帯は欲しい)
です。
マンションの室内のチェックポイント
前述しましたがマンションは鉄筋コンクリート造がほとんどです。
柱や梁はもちろん壁や床もコンクリートです。
極論を言うとマンションの室内で見るポイントは特にありません。
なぜなら「全てやり直しことが可能」だからです。
クロス、フローリングの貼り替えはもちろん、設備の入れ替え、間取り変更だって戸建より簡単です。
これは構造がしっかりしているからこそのメリットです。
マンションを検討する場合、多少築年数が古くてもご希望の立地であれば見学する価値はあります。
リフォームの事例などはネットで検索すればたくさん出てくるので
参考程度でも良いので探してみましょう。
中古戸建と同様にリフォーム費用を含めて資金計画を行い
予算内で理想通りの物件になるのであれば購入しても問題ありません。
あくまで参考程度ですが
築15年~20年ぐらいの建物の場合は室内の設備も交換する方が多いです。