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【23】中古戸建

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【23】中古戸建

カテゴリ:秘伝の住宅購入講義


講義6: 物件種別ごとの傾向と対策

中古戸建について

以前は新築住宅と比べて価格が安い物件も多かったのですが

最近は新築戸建が安くなってきているので

価格差という点では少しメリットが減ってきました。

名古屋エリアでは物件数自体も新築戸建より少ないです。

 

築年数は必ずチェック!

中古戸建でまずチェックするポイントは築年数です。

家を建てる際の法律(建築基準法)は

今まで何回も改正されています。

 

特に大きな変更は昭和56年です。

昭和56年以前の建物を旧耐震、昭和56年以降の建物を新耐震

と呼びます。

 

国土交通省が発表した

「阪神・淡路大震災による建築物等に係る被害」によると

旧耐震の建物の70%近くが被害を受けた一方で

新耐震の建物では30%以下だったそうです。

 

昭和56年以前ということは

これを書いている現時点(2019年12月)で

すでに築40年になります。


我々、不動産業者が建物を査定する際は

築25年~30年で建物価格は0円となります。


築40年以上の中古戸建は建物を解体して土地として販売するので

そもそも旧耐震の中古戸建は売りに出ていないことが多いです。

 

古民家のように築50年、80年という建物もありますが

そのまま利用することは少ないと思います。


室内のリフォーム工事と合わせて耐震補強をすることで

新耐震基準の強度まで補強することは可能です。

 

ちなみに耐震補強や室内の設備を全て一新すると

1,000万円以上の費用がかかることはザラです。


場合によっては2,000万円ぐらいかかることもあります。

2,000万円出すのであれば新築することも可能なので

新たに中古戸建を購入してリノベーションをするというのは

余程の建物でない限りメリットはありません。

(すでに自分の家をお持ちでリノベーションするという方はいます)

 

なのでここでは新耐震基準の中古戸建に関して話しをしていきます。

中古戸建で確認したい点は確認申請書や検査済証の有無です。


築10年ぐらいの建物であればほぼ取得しているとは思いますが

築20年ぐらいの場合、取得していないこともあります。


1998年度の完了検査率(検査済証交付件数/建築確認件数は38%というデータもあります。

3件に1件ぐらいは検査済証が発行されていない計算になります。

 

ちなみに現在では90%以上が完了検査を受けています。

住宅ローン手続きで検査済証が必要になるので

完了検査を受けていない物件は

現金で購入しているケースがほとんどだと思います。

 

中古戸建の築年数による目安

築30年以上

建物を解体して土地としての利用を考える方がほとんど。

査定時の建物価格は0円となります。

(建物の解体が必要になるので場合によっては土地価格から解体費用分安くなることも)

 

築20年以上

この年代も建物価格は0円に近くなります。

とはいえ建物の状況次第では利用可能です。


水回りの交換や床の貼り替えなどを検討する方が多いです。

外壁塗装や防水をしていない場合は塗装、防水工事やシロアリ対策の防蟻処理が必要になります。

全てリフォームをしようと思うと500万円近いリフォーム費用となります。

 

築10年以上

構造体はまだまだ利用可能です。

設備に関しては使われ方次第ですそのまま利用できることもあります。


利用はできますが最新の設備ではないので

一昔前の雰囲気は出てしまいます。


クロスは汚れが目立ってくるので貼り替えが前提となります。

この年代で故障が一番多いのは給湯器です。(交換には20万円程度)

建物の査定価格は新築時の半額近くまで下がってきます。

 

築10年以内

売りに出た時は一番早く動きます。

構造はもちろん、設備もそのまま利用可能です。


クロスなどは気になる部分を張り替える程度です。

価格としてはそこまで下がっていないのでお値打ち感は少ないですが

希望の地域、予算で売りに出たのであれば新築を検討している場合でも

見学をしてみると良いでしょう。

 

リフォーム費用も合わせた資金計画が必要

中古住宅の場合は築10年でもすでに人が住んでいた物件です。

キッチンやお風呂などは大丈夫かもしれませんが

クロスや床には少なからず傷や汚れがあります。

特にエアコンの裏側や冷蔵庫、家具の裏側は色が変わっていることがほとんどです。

今まで人が住んでいた建物というのは想像より汚れが多いものです。

 

私のお客さんでも中古住宅を購入した方は100%に近い確率でリフォームをしています。

(すでにリフォーム済の物件は除く)

 

リフォーム費用に関しては「何をどこまでやるか」で大きく予算が変わります。

100㎡ぐらいの建物でクロスを貼り替えだけでも30万円~50万円の工事費になりますし

フローリング、キッチン、お風呂と項目が増えていけばそれだけ費用も増えていきます。

 

リフォームに関しては複数の会社で見積もりを取ることが大事です。

知り合いだから、大手だからと1社からしか見積もりを取らない方もいます。

1社しか見積もりを取らないとその工事費が妥当かどうかの判断ができません。

(ちなみに大手のリフォーム代は高いです)

 

またリフォーム費用といっても数十万円、数百万という金額です。

何かあった時に「知り合いだから無料にしておきます。」

ということは絶対にありません。


知り合いだからこそ言いにくいことも出てきますし。

予算の中でどれぐらいリフォーム費用に割くかは本当に物件次第です。


築10年でも使い方が悪ければ水回りなどの交換が必要だし

築20年でも綺麗に使っていればクロスの貼り替えだけでも大丈夫ということもあります。

 

物件を見学する際には

どこをリフォームするかをチェックしておきます。

見学後、前向きに検討ができる場合はリフォーム業者さんと一緒に見学に行き

リフォーム費用の見積もりを出してもらいましょう。

不動産の契約後に

「リフォーム費用が高額になって思い通りのリフォームができなかった」

ということは絶対に避けなければいけません。

 

第三者の目でチェックするにはホームインスペクション

2018年から中古住宅の売買時にホームインスペクション(住宅診断)の説明が義務付けられました。


ホームインスペクションについての説明、ホームインスペクションをしているなら調査結果の説明が義務付けられているだけで

ホームインスペクションの実施自体は義務ではありません。


なので実際の現場で売主さん側でホームインスペクションしていることはほぼありません。

 

中古戸建の壁の中は外からではわからないことが多いです。

安心して購入するにはホームインスペクションを行うと良いでしょう。


ホームインスペクションのメリットとしては

・問題点(瑕疵や劣化)が見つかっても補修費用も含めて購入判断ができる

・調査結果が良ければ安心して購入できる

という点です。

 

デメリットは

・ホームインスペクション費用が必要(10万円~30万円)

という点です。

 

ホームインスペクションをした結果、瑕疵が見つかったり

補修工事費用が予定以上になれば購入を諦める必要があります。


せっかく費用負担をしてホームインスペクションをしたにも関わらず

購入しないという選択になった場合、費用が完全に無駄になってしまいます。


中古戸建の場合は現在の売主さんが居住中の物件もあります。

見学の際に売主さんがいれば遠慮なく質問をしましょう。


建物のことはもちろん学区のこと、町内会のことなど

お買い物施設のことなど住んでいないとわからないこと

たくさん知っています。


こういった生活情報というのは

我々不動産業者ではわからない部分です。



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